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ットワークの発展に連動して重要な課題として挙げられている。プライバシー保護は、広くは国民の人権問題にも関与することであり、技術的な施策だけでは解決できない側面も有する。即ち、既知のとおり、セキュリティとは単に暗号技術だけではなく、システムの運用、体制、規約、訓練等が必要となり、広範な視点からの検討が必要となる。

情報システムのセキュリティの目的は「様々な脅威から資産を保護すること」であり、これは下記の3つの目的が損なわれないよう対策を講じることであり、ISOにおいて各々が定義されている。

?@ 機密性:Confidentiality

情報が許可されていない個人、エンティティまたはプロセスに利用可能になったり、開示されたりすることの無い特性

?A 完全性:Integrity

テータが許可されていない方法で改変、または破壊されていない特性

?B 可用性:Availability

許可されたエンティティから要求があったときに、アクセス及び使用が可能な特性

 

本調査研究においてのセキュリティ技術課題としては、故意に行われる不正行為のみを対象とする。即ち、偶発的要因(故障/災害/誤操作等)に基づく課題は、セキュリティ技術とは別の信頼性課題という範疇で整理を行うこととする。即ち、上記3項目の目的を鑑みればセキュリティ技術とは、他人に情報が不正に漏洩することを防ぎ、データの改ざん、破壊を見逃すことなく、かつ情報やサービスがいつでも利用できるようにするための技術、並びにその技術を基礎として組み合わせた仕組と整理される。セキュリティ技術は多種多様であるが、認証、秘匿、電子印鑑は暗号技術をベースにして実現できることから、暗号技術の重要性が高まりつつある。

先ず、セキュリティ技術の中核である暗号技術を中心にその技術概要と動向を整理する。

 

・暗号技術

暗号技術は、情報の漏洩、改ざんを防止する手段として軍事的用途を中心に、古くから利用されてきた。1970年代におけるDES(Data Encryption Standard)、公開鍵暗

 

 

 

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